「鹿島アントラーズは、まさにブラジル」と言い切るレオシルバの真意 (3ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

鹿島アントラーズというクラブの特長、魅力を語ってくれたレオシルバ鹿島アントラーズというクラブの特長、魅力を語ってくれたレオシルバ――鹿島アントラーズといえば、ジーコが作ったクラブとしても有名ですが、実際その一員となったとき、ジーコの雰囲気を感じることはありましたか?

「設備などは別にして、一人ひとりのスタッフや選手の発言に触れるだけで、非常にブラジルっぽいクラブだと感じました。常にブラジル人はどんなところでも負けたくないという性格を持っています。鹿島では選手はもちろん、すべてのスタッフから、すべての大会でタイトルを獲るという気持ちがひしひしと伝わってきました。そこがまさにブラジルっぽいなと感じました」

――鹿島でプレーするブラジル人選手には、他クラブとは違うプレッシャーを背負っているように思うことがありますが。

「プレッシャーは確かにあります。でも、そこに居心地のよさを感じるし、気持ちのよいものでもあります。プレッシャーに打ち勝てば、必ずいいことがあるだろうし、それを乗り越えて、タイトルを獲ってきたという歴史もあります。

 当然ながら、私もそれに打ち勝って、タイトルを獲り、その歴史を引き継ぎたいという強い気持ちを持っています。タイトルに近いクラブにいれば、プレッシャーが大きくなるのは当たり前のことです。そういう環境のなかで、タイトルを獲ることができれば、選手自身の価値を高めることにもつなががるわけですから。

プレッシャーはネガティブなものだとは思いません。悪影響を及ぼしたり、自分を悪い方へ引っ張るものでもない。プレッシャーがあるからこそ、もっとよくなりたい、うまくなりたいという気持ちも強くなる。プレッシャーは選手が強くなる"秘訣"だと考えています」

――新潟と鹿島では、レオシルバ選手の立ち位置にも変化が生じたと思います。鹿島ではポジションを争うという意味での競争も厳しくなったのではないでしょうか?

「自分がチームの中心でいたいとか、目立ちたいとか、キングでありたいなんてことは、まったく気にしていません。私は立場が自分のプレーに影響するタイプの人間でもないですから。もし、そういう立場を気にするのなら、新潟にいたほうがいいと考えたはずです。

競争は成長するうえで、大事なファクターです。それを求めて、私は鹿島へ来ました。競争があるからこそ、常に全力で戦わなければいけない。自然とそういう状況へと追い込まれるんです。だから、一瞬でも慢心することはできません。成長するために、自分を追い込み続ける。その姿勢は新潟時代も変わらず持っていましたが、鹿島へ来て、さらにその気持ちを強くしました」

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