2018.04.28

「鹿島アントラーズは、まさにブラジル」
と言い切るレオシルバの真意

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

遺伝子 ~鹿島アントラーズ 絶対勝利の哲学~(10 ) 
レオシルバ 後編

前編から読む>>

 4月21日、Jリーグ第9節の川崎フロンターレ戦を1-4で落とした鹿島アントラーズ。

「みんな頑張っているんだけど、噛み合わない。自分たちの形がはっきりしていない。連戦のなかで立て直すのは難しい。とにかく我慢しかない」

 内田篤人はチームの現状をそう振り返った。その翌日、練習は急遽オフとなった。その休日が何をもたらしたのだろうか。

4月25日、第10節ヴィッセル神戸戦。鹿島は陣形をわずかに変更した。2トップの一角だった鈴木優磨が左アウトサイドに立ち、負傷から復帰した遠藤康が右アウトサイド。金崎夢生と土居聖真の2トップが縦に並んだ。開始4分、金崎のシュートがネットを揺らしたが判定はオフサイド。それでも、鈴木と遠藤という両サイドでボールが収まり、攻撃の糸口がつかめそうな展開が続いた。しかし、ラストパスの精度を欠き、ボールを失うとカウンターのピンチを招いた。そのワンシーンが34分、神戸の先制点となる。

 0-1で迎えた後半は、ほとんどの時間、鹿島が攻め続けるという一方的な展開になった。前線からのプレスによって、選手間の距離が縮まり、こぼれ球を拾えた。そして、今季はなかなか見ることのなかった波状攻撃も生まれた。しかし、奪えたのは55分、鈴木の1得点だけ。終了間際には相手のシュートミスに救われるシーンもあった。それでも勝ち点1を拾うことができた。

 同点弾をアシストした内田は、自身のプレーとチームの戦いぶりに手ごたえを感じているようだった。そして、川崎F戦からの数日間について話してくれた。

「自分たちが置かれている状況というのは、どうしても下を向いてばかりになってしまう。でも、勝てないときは1回ポンと休んだりして、頭や体をリフレッシュさせるのも大事。サポーターの人が練習場に横断幕を張ってくれた。サポーターの人とも話をしたけれど、ネガティブなことはなかった。横断幕を見ながら練習できたし、チームとしてもありがたかった。