豊田陽平も「荒いけど強い韓国リーグ」を実感。ACLで日本勢の上へ (2ページ目)
蔚山のFW豊田はACLを主戦場にしており、この日、グループリーグ6試合中5試合目の先発出場となった。
「プレーする喜びを取り戻したい。鳥栖に必要とされる選手に」
豊田はそう言って、Kリーグ挑戦に一歩を踏み出した。鳥栖ではJ2得点王に輝き、J1昇格をもたらした。その後、J1では5シーズン連続15得点以上(カップ戦も含む)を記録。クラブ史上初の日本代表にも選ばれ、2015年アジアカップに出場するなどクラブの象徴的選手となった。
その実力は、新天地でもプレシーズンマッチから存分に評価されている。ゴールこそまだないものの、鳥栖時代にも見せていた前線からの果敢なディフェンスでセンターバックを消耗させ、ACL決勝トーナメント進出に貢献。川崎F戦も、クロスに対して勇猛果敢に合わせに入って、GKと正面からぶつかってもんどり打って倒れるシーンがあった。大きな体躯を利して、前線にパワーを入れていた。
しかし前半は、チーム全体の動きが悪すぎた。前線とバックラインの距離が広がりすぎ、一か八かの長いパスを送っては失う、の繰り返し。攻守を効率的に動かすポジショニングなど戦術は成熟しておらず、局面のプレーも精彩を欠いていた。
前半終了間際、右からようやく豊田にクロスが入るが、このヘディングは枠を外している。
「(ハーフタイムの)監督はかなり怒っていましたね。本気を出して戦っているのか!と。それで激しさのところは出るようになった」
豊田はそう振り返ったが、後半は状況が一変した。
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