小林悠、大島、杉本...ハリル解任で
J戦士のW杯チャンスは増えたのか (3ページ目)
一方、この日のセレッソ大阪のメンバーは、ローテーション起用の影響があり、水沼宏太などケガ人が出ているという事情もあった。ブロックを作って守りながら、攻守の切り替えの速さでカウンターを仕掛け、セットプレーを有効活用という戦い。結果的にチームとしては屈強さを見せ、敵地で粘り強く勝利したが、選手の個性は強くは出なかった。
先発したなかで代表候補となると、山口蛍(27)、柿谷曜一朗(28)といったところか。山口はインターセプトに関しては、ぞっとさせるほどの鋭さがある。これでポジションを守れたら、世界トップレベルで戦えるボランチになるはずだが......。
局面を優位に動かしたのは、後半途中に入った杉本健勇(25)だろう。ハリルホジッチのお気に入りでもあったが、長いボールを自分のものにし、攻め立てられる味方にひと息つかせている。試合をクローズするのが目的の起用で、その役割を十分果たしていた。尹晶煥(ユン・ジョンファン)監督の指揮下に入って、ゴール前での仕事への集中力が上がり、ストライカーの匂いがするようになった。
同じく交代出場した清武弘嗣(28)は2カ月ぶりの復帰。トップ下としての能力は折り紙付きだ(セレッソでのスタートポジションはサイドMFであることが多い)。しかし、この日は故障明けで、完調には程遠かった。才能に疑いの余地はないが、代表の可能性はリカバリー次第だろうか。
選手たちは連戦にも負けず、自らのプレーを出し尽くしている。果たしてどのような抜擢があるのか。今回の解任騒動や監督交代の是非は別にして、ワールドカップに向けて気運は間違いなく高まっている。
試合後のミックスゾーンでは、いつも以上に両チームの選手同士が歓談する時間が長かった。
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