柏レイソル、ACL敗退。追いつめても、アジアで勝てないのはなぜか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Hiroki Watanabe/Getty Images

「(全北は)ターゲットになるキム・シヌク(身長198cm)を使い、高さ勝負をしてきた。行っても厳しいし、行かなければ(ボールが)収まってしまう。やり方としてはシンプルなんですが、相手はそれに慣れていて......」(柏・MF大谷秀和)

 全北はロングボールをキム・シヌクに当て、セカンドボールを拾い、両ワイドからスピードある選手が飛び込む。これで柏のバックラインを下げることに成功、ペースを奪う。

 前半16分だった。イ・スンギが迫力のあるドリブルで右サイドを突破し、柏がバックラインを下げた瞬間、その前に入ったリカルド・ロペスにパスが通る。ロペスは小池龍太のタックルを退け、バックラインを抜け出てGKと1対1になり、一度は左ポストにシュートを当てるも、跳ね返りを押し込んだ。

「柏ならではのサッカーをさせないようにしました。ポゼッションでは負けても、中盤の守備をはっきりし、セカンドをしつこく拾う、という作戦が当たりました」(全北・チェ・ガンヒ監督)

 柏は全北のプレー強度の高さにたじろぎ、後手を踏むことになった。

 しかし、その後は再びイニシアチブを握っている。圧倒的なボール支配率で、ゴール前まで迫る。伊東純也のスピードに乗ったドリブルから、江坂が決定的なヘディングシュートを放つなど、決定機も作った。

 その流れは後半も変わらない。全北のファウルを誘発。相手の焦りが伝わってくる。伊東の縦へ抜けるスピードを武器にカウンターでも脅かすなど、もうひと息で仕留められるところまではきた。

 しかし77分、キム・シヌクと交代で入ったイ・ドングッに左足で蹴り込まれ、追加点を奪われてしまう。

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