セレッソ、ようやくサクラサク。勝てなかった「優勝候補」の遅い始動

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO

 昨シーズン終盤は、季節外れの桜が咲き誇っていた。セレッソ大阪は、クラブ史上初タイトルとなるルヴァンカップ、そして天皇杯を立て続けに手中に収めている。さらに今シーズンの前哨戦、スーパーカップでもリーグ王者である川崎フロンターレを下し、破竹の勢いがあった。

 ところが、リーグが開幕すると4試合勝ち星なし。3分け1敗と、負けないが、勝てない試合が続いた。

湘南戦の終盤に投入され、決勝ゴールを決めた杉本健勇(セレッソ大阪)湘南戦の終盤に投入され、決勝ゴールを決めた杉本健勇(セレッソ大阪)「勝てない試合が続くと、やはり空気は悪くなる」

 選手たちの表情も冴えなかった。

 第5節、セレッソは湘南ベルマーレを本拠地に迎えている。序盤戦の山場とも言える、1カ月以上にわたる11連戦(ゴールデンウィークまで週2試合ペースが続く)の1戦目。代表戦による2週間の中断後の、乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負となった。

 3月31日、キンチョウスタジアム。セレッソは代表帰りで疲労の残る杉本健勇をベンチに温存した。しかし、MFはケガ人が続出(ソウザ、秋山大地など)し、一番疲れが溜まっている山口蛍を、先発で起用せざるを得なかった。

 やりくりをするなか、スペイン人ボランチ、オスマルがリーグ戦初先発を果たしている。

「しばらく試合から離れていたので、コンディションは十分ではなかった。適応するのはこれから。とにかく、キャプテン(山口)の動きについていきながら、中盤のバランスを考えてプレーした」(C大阪・オスマル)

 オスマルは動きの鈍さこそ目立ったが、無闇にポジションを動かさないことで、山口とのバランスは決して悪くはないだろう。体力的にフィットしてきたら、連戦では貴重な戦力となるはずだ。

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