2018.04.01

もったいないヴィッセル。
ポドルスキは前線にいるほうが怖いのに…

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 なんとももったいないチームだなあと、ヴィッセル神戸の戦いぶりを見て思った。

 J1リーグ第5節、金曜日の夜に柏レイソルと対戦した神戸は、健闘むなしく1−2と敗れている。

柏レイソルの守備に苦しめられたルーカス・ポドルスキ 0−0で迎えた68分にFW伊東純也に独走を許して先制点を奪われるも、直後にFW田中順也がコーナーキックを頭で合わせて同点に追いつく。しかし、終了間際の86分にふたたび伊東にゴールを奪われて敗戦。昨季の上位チームに勝てる可能性は決して高くはなかったが、引き分けが妥当の結果と思われただけに、土壇場で浴びた被弾が勝負弱さを浮かび上がらせた。

 今季の神戸は、昨季途中から指揮を執る吉田孝行監督のもとで、より攻撃的なチームへの変化を求めている。昨季の吉田監督は前任のネルシーニョ監督の後を引き継ぎ、まずは守備組織の構築を図り、低迷していたチームをわずかに浮上させた。

 もっとも、守りは堅いがゴールは遠い。鳴り物入りで加入したFWルーカス・ポドルスキをはじめ、FWハーフナー・マイクや田中ら攻撃陣に多くのタレントを備えているにもかかわらず、彼らの能力を活かしきれないその戦いぶりに物足りなさが残ったのは確かだろう。

 そこで今季は、ポゼッションを意識した攻撃スタイルに転換。柏戦でもその狙いの一端は垣間見えていた。

 前半からボール支配で勝(まさ)ったのは、神戸のほうだった。柏もボールを大事にすることには定評があるものの、神戸のポゼッションは柏をはるかに上回っていた。

 その要因となったのは、1トップに入ったFW大槻周平の存在が大きい。この献身的なFWは絶え間なくプレスをかけ続け、柏のビルドアップを寸断。相手に長いボールを蹴らせて、守備陣の対応を楽にさせていた。

 大槻は昨季、湘南ベルマーレから加入も、わずかに1得点。得点を求めるのであればハーフナーのほうが適任だろうし、アビスパ福岡から加わったFWウェリントンでもいいはずだ。にもかかわらず、最前線に大槻を配置していることから、吉田監督の狙いがはっきりと見て取れた。