曽ヶ端準「ヘタでも、チームを勝たせられる選手なら使うでしょ?」 (3ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 五十嵐和博●撮影 photo by Igarashi Kazuhiro

  ――内田選手が不在だった8年弱の間に、若い選手も中堅、ベテランとなりました。

「そうですね。ヤス(遠藤康)も篤人がいたときはまだレギュラーじゃなかったですからね」

――今では遠藤選手がゲームキャプテンになっていますね。

「僕はそれほど多くキャプテンマークをつけた試合はないんですけど、それでも責任感が生まれたし、それによって発言や言動にも変化がありました。でも、今のヤスや(昌子)源ほどではないです。僕がキャプテンマークをつけた頃は、他に引っ張ってくれる選手がいたからでしょうね。それに比べると、ヤスや源は本当に変わりました。積極的になったし、会話もそう。その内容や雰囲気にも違いを感じます。自覚と自信の表れだと思います」

――鹿島の歴史を振り返ると、「紀元前、紀元後」みたいに、「小笠原満男前、小笠原満男後」と言えるのではないかと。曽ヶ端選手をはじめ小笠原選手と同年代の選手が歴史の中心に立ち、過去から未来へとバトンを渡す立場にいるんだなと思えます。

「若い時に比べたら、満男も変わりましたからね。あそこまでしゃべるヤツじゃなかったですから。何がきっかけかはわからないですけど」

――長年プレーを続けていくうえで、何がモチベーションになっているのですか?

「結局はタイトルですね。勝つことに対するモチベーションがなければ、長くはできないと思います。厳しい練習を何のためにするのかといえば、やっぱり優勝の喜びを味わいたいから。『また、もう一度味わいたい』と思うからです」

――特に印象深かった優勝はありますか?

「どの優勝もうれしいです。2016年シーズンは、年間勝ち点は3位だったのにチャンピオンシップに勝っての優勝でいろいろ言われたけれど、やっぱり優勝すればうれしかった。クラブワールドカップは、いくらレアル相手であっても負ければ悔しい。それで、その後の天皇杯で勝ってまたうれしい。その喜びのためにやっているんじゃないですかね」

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