浦和レッズ、わずか勝ち点2。
中断期間に「不穏なムード」を拭えるか (2ページ目)
柏木が指摘したように、前半の浦和は実に6回もオフサイドに引っかかっている。一方で、動き出しを囮(おとり)にしてサイドのスペースを攻略する機会も多く、攻め上がった右サイドバックの菊池大介のクロスからいくつかチャンスを生み出している。
また、前の人数を増やした効果も見られ、いい距離感からスピーディなパス回しを実現し、フィニッシュに持ち込む場面もあった。サイド一辺倒にならず、中からの崩しもあり、2週間前のサンフレッチェ広島戦では感じられなかった"怖さ"がそこには備わっていた。
もっともその勢いは、前半の45分だけにとどまった。後半に入ると一転、横浜FMの攻勢にさらされることとなる。
「途中から運動量が落ちた部分があると思います。そこで少しオープンになった状況ができ、後手後手になった部分があったのではないかと思います」
堀孝史監督は、失速の原因を体力面に求めた。たしかに、運動量の低下も一因ではある。しかし、それ以上の問題は、相手のハイプレスをかいくぐる手段を持ち合わせなかったことだろう。
後半に入り、よりプレッシャーを高めた横浜FMに対し、浦和はボール保持がままならなくなった。悪い位置でボールを失い、鋭いショートカウンターを浴びる機会が増加する。それでもGK西川周作のビッグセーブなどで何とか耐えしのいだが、81分、FWウーゴ・ヴィエイラの一撃に屈した。
「後半はボールを持てなくなった。相手が余計にプレッシャーをかけてくるなか、それをかいくぐらないといけなかった」
柏木はそう敗因を分析する。そしてこう続けた。
「今のレッズにハイプレッシャーをかければ、つなげないと思われているのかもしれない。実際にもらってからの判断や動き出しが少ないから」
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が率いた時代の浦和は後方からのビルドアップを持ち味とし、たとえ相手が前から取りにこようが、卓越した位置取りとパス回しでそのプレッシャーをたやすくかいくぐり、質の高い攻撃を実現していた。しかし、今はそのプレーができない。そこに浦和の苦悩が浮かび上がる。
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