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土居聖真「ボールを持つのが
怖くなるほど、鹿島はミスに厳しかった」 (3ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

  ――というのは?

「楽しいというか、野沢(拓也/ウーロンゴン・ウルブス)さんやモト(本山雅志/北九州)さんのプレーを間近で見ていると、驚きの連続なんです。そうやって崩すのか? そんな崩し方があるのか? こういうトラップがあるのか? ヘディング、シュート、身体の使い方......とにかく、僕の想像を上回るプレーをするんです。自分のサッカー観のなかにまったくないプレーを目の当たりにできるんです」

――でも、そういう先輩に勝たないと試合には出られない。一方で、同期の柴崎岳選手は半年ほどでトップチームに絡んでいました。

「もちろん、岳の存在はプラスアルファという部分での刺激にはなりました。でも、基本的には、他人がどうこうじゃなくて、自分を高めたいという気持ちだけでした、自分しか見ていなかった。目の前に先輩がいて、まずは紅白戦のメンバーに入ること、そうやって段階を踏まなくちゃいけない。そういう意味では毎日がセレクションというような気持ちでしたね。

 だけど、練習でできたことが、試合ではできないんです。控え選手のための練習試合だというのに。何でできないんだろうって。自分自身でもがき、答えを探すような時間が続きました」

――1年目の終盤にリーグ戦で初出場を果たし、2013年に初ゴール。2014年以降になって先発試合も増えましたが、決して短い時間でもなかったと思います。その思い悩んだ時間がもたらしたものは何でしょうか?

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