ヴェルディユース初の教え子の最終戦で、
永井秀樹監督は何を語ったか (5ページ目)
負ければ、プリンスリーグからの降格もあり得る試合。それでも、永井には育成を任された指導者として、勝利を求めること以上に大事にしたいものがあった。それは、決して譲れないものだった。
Jリーグ下部組織における育成とは何か――。
言うまでもなく、ひとりでも多くの選手をトップチームに昇格させることだ。そのためには、成功体験以上に、今の年代だからこそ経験すべき"前向きな失敗"が必要だと、永井は考えていた。
ゆえに2017年シーズン、永井は先発メンバーを固定せず、練習試合はもちろん公式戦でも1年生から3年生まで全員、できる限り起用してきた。ポジションも複数経験させて、プレーヤーとしての幅を広げることに注力した。
前シーズンまでとは、まるで違うスタイルである。おかげで、シーズン当初は大敗が続くなど、"勝利"という結果はなかなかついてこなかったが、永井がその方針を変えることはなかった。それはプリンスリーグでも、最終節までずっと変わらなかった。
(つづく)
◆あえて言う。国内最高のSB、車屋紳太郎と西大伍は「海外組」に勝る>
5 / 5