二冠のセレッソ。急に勝負強くなった陰に
「ユン監督の秘蔵っ子」あり

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki  山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 セレッソ大阪がJ1復帰1年目にして充実のシーズンを、二冠達成で締め括った。

 元日恒例の天皇杯決勝。セレッソは横浜F・マリノスを2-1で下し、優勝を果たした。日本リーグの強豪として知られた前身のヤンマー時代を除けば、これがクラブとしての天皇杯初優勝である。

勝負を決めた逆転ゴールを決めて喜ぶ水沼宏太(左から2人目)勝負を決めた逆転ゴールを決めて喜ぶ水沼宏太(左から2人目)

 試合は、キックオフの笛からわずか8分で先制を許す、セレッソにとっては苦しい展開でスタートした。

 カップ戦決勝という一発勝負では、先制点が大きくものを言う。しかも、1本のパスで簡単にDFラインの裏を取られての失点とあっては、セレッソが受けたダメージは決して小さくなかったはずだ。

 しかし、「得点の後、相手にボールをコントロールされすぎ、(自分たちが)下がりすぎた。ゲームをコントロールできていなかった」とは、F・マリノスのエリク・モンバエルツ監督。

 セレッソは時間の経過とともに、ボールを支配し、攻撃時間を増やしていくと、65分にFW山村和也のゴールで同点に追いつき、延長前半の96分には、MF水沼宏太のゴールで逆転。「(先制を許し)F・マリノスに流れがあるなかで、ミスもあったが、慌てず戦えた」と、殊勲の山村が振り返ったように、セレッソは落ち着いた試合運びで、難しい試合をひっくり返した。

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