ミスター・レッズは期待する。「浦和がJリーグを世界に導く先頭に」 (3ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 ただ、そうしてACL王者になったにもかかわらず、大会のベストイレブンには浦和の選手がひとりも選ばれていない。中国クラブが潤沢な資金で獲得したフッキやパウリーニョ、アル・ヒラルのサウジアラビア代表選手たちが名を連ねたベストイレブンは、Jリーグのレベルが高まっているわけではないことを象徴しているともいえる。

 浦和がアジアを制したことは素晴らしいことだが、日本サッカーがさらなる高みへ登っていくためには、"課題"を精査しなければいけない。

 JリーグがDAZNと 2017年から10年間の放映権契約を締結したことによって、ACLで勝つよりリーグで優勝するほうが多額の賞金を手にできるようになった。それによって、各クラブがACLに重きを置きづらくなったことは確かだ。しかし、日本のクラブが世界で存在感を示そうとするならば、ACLという舞台を避けて通ることはできない。

 アジアの頂点に立ち、クラブワールドカップ(CWC)でヨーロッパや南米の王者を打ち負かす。2016年に開催国枠で出場した鹿島アントラーズが決勝まで進んでいる以上、Jリーグのクラブが世界一になることは夢物語ではないのだが......。

 そう考えると、ACL王者になった浦和が、CWCで開催国枠のアルジャジーラに0-1で敗退し、レアル・マドリードと対戦できなかったのは残念だ。

 アルジャジーラ戦もそうだったが、2017年の浦和は自分たちがボールを持って主導権を握る試合で勝ち切ることができなかった。そのため、シーズン途中で監督が交代したものの、新体制に移行してもそれは修正できなかった。2018年シーズン開幕までに、堀監督がその課題をどう解消するのかが興味深い。

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