スタイルを捨ててJ2降格を免れた広島は、
あの強さを取り戻せるのか (3ページ目)
危機に追い込まれた広島は、こだわってきたプレースタイルやフォーメーション(3-4-2-1)をかなぐり捨てた。
「リスクを避け、サイドにボールを入れ、攻撃はそこからのクロス中心」
それが後半戦から指揮を執ることになったヨンソン監督の主戦術だった。中央でパスをつなぐよりも、外で回すことを要求。それによって、"ボールを失っても直接的にカウンターを浴びない"ノーリスクなプレーを選んでいる。ガンバ大阪からFWパトリックを獲得したように、ヨンソン監督がスウェーデン出身ということもあって、攻撃の軸は"高さ"にシフトした。
4-2-3-1を用いるようになり、勝ち点は増えていった。前半戦は17試合で30失点だったが、後半戦は16試合で18失点に減っている。「つなぎながら攻め切れず、カウンターで失点」。その負けパターンを断ち切った。
守備が安定したことで攻撃も改善し、フェリペ・シウバ、アンデルソン・ロペスという今シーズン加入したブラジル人選手のプレーが上向いた。とくにアンデルソン・ロペスはチーム最多10得点で、最終的には1トップで存在感を示している。
「守備が安定し、攻撃が力を出す」
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