我々がいるべき場所はJ1。
変幻グランパスは堅守アビスパを崩せるか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Matt Roberts - JL/Getty Images for DAZN

 J2最終節を前に、名古屋グランパスはすでにJ1昇格プレーオフ進出が決まっていた。問題は、準決勝の対戦相手がどこになるのか、だった。

 そのとき最終節の結果次第で名古屋と準決勝で対戦する可能性があった(プレーオフ進出の可能性を残していた)のは、徳島ヴォルティス、東京ヴェルディ、松本山雅、ジェフユナイテッド千葉の4クラブ。そんな大混戦のプレーオフ進出争いをくぐり抜け、名古屋への挑戦権を勝ち取ったのは、千葉だった。

 名古屋にしてみれば、多少なりとも「よりによって千葉と当たるとは......」の思いがあったに違いない。というのも、今季の名古屋にとって千葉は、"天敵"とも言うべき存在だったからだ。

 名古屋は今季リーグ戦で、千葉に対して2戦2敗。2戦合計スコアは0-5である。名古屋は千葉の"カモ"にされていた。そんな表現も大袈裟ではない。しかも、千葉はリーグ戦の最後を7連勝で締め括(くく)っていた。どこにも増して、勢いがあるのは明らかだった。

 リーグ戦3位の名古屋が、6位の千葉に食われてしまうのではないか。番狂わせの予感が少なからず漂うなかで行なわれた準決勝は、しかし、終わってみれば4-2。FWシモビッチのハットトリックを含む4ゴールで、名古屋がリーグ戦の借りを返す快勝を収めた。

ハットトリックを決めて勝利に貢献したシモビッチ(右)ハットトリックを決めて勝利に貢献したシモビッチ(右)

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