ジェフ千葉、ミラクル昇格に望み。アルゼンチン流攻撃サッカーが炸裂 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Masashi Hara/Getty Images

 1-1で推移していたフクダ電子アリーナの千葉対横浜FCが、俄然、面白くなった瞬間である。千葉はそれまで横浜FCを圧倒。試合を押しまくっていた。決定的なチャンスを何度も外していた。だが得点を奪っても、味スタの試合が1-1で終われば、6位には届かない。追って届かずの状況にあった。それが、1点決まれば6位=プレーオフ進出に一変したわけだ。

 ロスタイムに突入した92分。千葉はCKを得る。清武功暉の蹴ったボールは、飛び込んだDF近藤直也にピタリと合った。そのヘディングシュートはGKの手をかすめながら、ゴールに吸い込まれていった。

 劇的なゴールとはこのことだ。最終節を前に8位だったチームが6位に滑り込んだ。それだけではない。千葉は、その10節前の32節終了時まで、22チーム中13位に低迷していたチームだった。35節終了時でも12位。千葉がそこから7連勝を飾り、プレーオフに出場することを予想した人は、どれほどいただろうか。

 きっかけとなったのは36節の岡山戦だった。千葉に詳しい記者によれば、そこから布陣を変更。4-3-3を4-2-3-1にしたことが奏功し、相手ボール時の対応が安定したという。それ以前は、圧倒的にボールを支配していながら、カウンターで失点を食らうパターンを繰り返していた。

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