長崎J1の陰で、横浜FCは昇格チャンス消滅。50歳カズの胸中は? (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Masashi Hara/Getty Images

「今日は負けたわけではない。私が就任して以来、3試合で勝ち点5。その前の5試合で勝ち点5だった」

 第39節から急遽、指揮を執ることになったタヴァレス監督は、引き分けた後にそう語った。抜擢した選手は上々の活躍をし、チームが上向いていたのは間違いない。しかし勝ち切れず、プレーオフ進出を逃したのも事実である。

 チームはシーズンを通し、外国人助っ人がフル稼働した。シーズン途中で獲得したレアンドロも違いを示している。監督も交代し、総力戦で挑んだJ1昇格だったが、あと一歩及ばなかった。

 しかし、これで終わりではない。

 試合後のセレモニーが終わり、選手たちがスタジアムをまわってファンに挨拶する中、先頭から遠く離れ、最後尾にカズこと三浦知良がいた。文字通り、ひとりひとりと手のひらを合わせ、話しかけられると立ち止まるため、一番遅れてしまう。しかし、50歳になるベテランは少しも嫌な顔をしない。ゆっくりと時間をかけ、ホームゲーム最後のファンに感謝を表していた。

「まだ1試合(11月19日、ジェフ千葉戦)、残っている」

 悔しそうに言葉を振り絞る選手は少なくなかったが、その勝負への執着とディテールが来シーズンへの試金石になるだろう。

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