J1昇格なるか。V・ファーレン長崎の高木琢也監督は顔に自信がある (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO SPORT

 だが、まずはチーム全体で連動したプレスを仕掛け、ボールを奪うことができなければファンマにロングボールを入れることもできないし、ファンマが前線で競り勝ったとしても、それをサポートする味方選手がいなければ、攻撃はつながらない。攻守両面においてのハードワークがあるからこそ、長崎は相手を凌駕することができる。

 やはりベースとなるのは、ハードワークによる全員攻撃、全員守備。それが長崎の強さを支えていることは確かだ。

 実際、J2の得点ランキング(第35節終了時)を見ても、長崎のチーム得点王であるファンマは10ゴールで、リーグ17位タイにすぎない。長崎が特定の個人に頼っていないことの、ひとつの証明だろう。

 J2で5シーズン目を迎えた長崎がJ1に近づくのは、これが3度目のこと。過去に2度、2013年、2015年に6位となり、プレーオフに進出した。結果はいずれも準決勝敗退と願いは成就しなかったが、2年ぶりに巡ってきたチャンスには、自動昇格の可能性を含め、過去2回以上の期待が膨らむ。

 最初のプレーオフ進出時を知る幸野は、「4年前と比べるのはちょっと難しいが」と前置きして、こう語る。

「今日の試合でも、決めなきゃ意味がないとはいえ、チャンスまで持っていく回数は多かったし、球際や切り替えの部分でも相手を上回れた。そこがこのチームの一番のよさ。もし試合に勝っても、なぜ勝てたのかがわからないと、うまくいかなくなったときに立ち返る場所がないけど、このチームにはハードワークがある。残り試合は今まで以上にプレッシャーやストレスがかかると思うが、そこ(ハードワークというベースがあること)は今のチームのいいところかなと思う」

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