「ユン革命」が実を結ぶセレッソ、戦うチームになってJ1首位奪取 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 かつてのセレッソは、ここで瓦解するひ弱さがあったが、この日は後半になると変わった姿を見せる。

「諦めずに戦うメンタリティが育ってきている」

 そう明かしたのは、今シーズンからセレッソを率いるユン監督である。

「選手たちは意欲的で、勝負にこだわっている。負けないぞ、と最後の最後まで走れるようになった。それがうまく(プレーと)調和しつつある」

 61分だった。右CKから一度クリアしたボールがソウザに当たってこぼれ、これを拾った杉本が左足で流し込んだ。

 特筆すべきはゴール直前のプレーだろう。セレッソは相手の攻撃を自陣に誘い込みながら集中を切らさず、大津祐樹が中央に入れようとしたパスを巧妙にカット。守から攻への切り替えは速かった。一気に右サイドにボールを流し込んでから素早くクロスを折り返し、それがクリアされてCKになっていた。

 そして70分にも、切り替えの強度で違いを見せる。敵陣内で左サイド五分五分のボールに選手が次々と挑む。相手がいくらか不用意に縦パスを入れてきたところをしたたかに奪い返すと、山口蛍が左足で右サイドに大きく展開。長い距離を走っていた水沼がこれをフリーで受け、精度の高いクロスを折り返す。労力を惜しまず抜け目なくゴール前に詰めたソウザが右足インサイドで合わせ、逆転弾を放り込んだ。

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