2017.07.07

Jリーグからのベルギー派遣コーチに聞く
「欧州の育成は何が違うか」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko

――まず、坪倉さんがこのプログラムの第1弾として派遣されることになった理由を教えていただけますか?

「僕は若いころからマリノスのジュニアユースで20年間、指導をしてきました。だから現状の日本の育成年代のいいことだけでなく課題や、ここまでの流れ、積み重ねを含めて理解しているだろう、と。そういう物差しを持っていることを前提に、アンデルレヒトでいろいろ学んだ上で、僕自身の日本での経験とミックスして、日本にどう還元していくかに期待している、と言われました。例えば現役を終えたばかりの若い指導者が、フィーリングとしてのよさを感じて持ち帰るのではなく、日本で長くやってきた分、現状を踏まえて海外の状況を捉えられる。もちろん僕はパーフェクトじゃないし、知らないことはいっぱいありますが、全国大会やJリーグ選抜U-15の監督(2014年にブラジル遠征)などで多くの選手を見てきた経験があるので、15歳前後の現状を把握しているから、ということも言われました」

――日本に戻ってから、それを実践できるというのも大きいのですね。

「そうですね。JJPの担当者からは、『アンデルレヒトで学んだことをJリーグ全体に伝え、マリノスでも活用してください。いい方向に変えられるようにあなたが中心になってやってください』と言われました。マリノスも前向きに理解し、賛同して送り出してくれました。学んだことでいいなと思うことがあったら、それについて指導者対象の講習会を開くだけではなくて、実行する場がある。育成の一指導者として、ユースダイレクターなどクラブ全体と連携をとってトライする場が僕にはあります。マリノスで実行に移して結果が出たら、他のクラブも参考にしたり、工夫したりするだろう。そういうところにも期待をされているようです」