川口能活・41歳に、「いま自分がJ3相模原にいる理由」を聞く (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by Nikkan sports/AFLO

 ただ、川口は単なる広告塔で終わるつもりは毛頭ない。だからこそ、筆者も「試合に出ることにこだわってほしい」と、生意気を承知で声をかけたのである。川口が続ける。

「ベテランだからチーム全体を見ることも大事なんですけど、まずは自分のやるべきことに集中する。それが自分のあるべき姿だと思いますし、自分がチームにいることの意味だと思ったんですよね。それは......ポジションを奪う、ポジションを掴む、そして、試合に出続ける。その強い気持ちを失っちゃいけない。

 今は、常に点を獲られたら替えられる、ミスをしたら替えられるという危機感を持っています。ベテランがチームのなかで生き残っていくのは、チーム全体を考えていくことなんでしょうけど、それはきっと、この年齢になれば意識しなくてもできる。それ以上にサッカー選手にとって必要なのは、やっぱり闘争心であり、戦う気持ちを持ち続けること......それって試合に出続けることにこだわることなんですよね」

 そこにはプロになってから今日まで貫いてきた、変わることない、いや変えることのできない姿勢がある。

「試合に出られない時期が続いたことで、より1試合にかける思いというか、それこそひとつひとつの練習に対する集中力は増しましたよね。昔からそこは自分の特徴としてやってきましたけど、今はより強く思っている。だから、練習からより濃密に。

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