サンフレッチェ、全員のバーベキューでも
改善しない17位転落の真因 (4ページ目)
「今年は選手やスタッフが代わった中、いろんな変化がチームにある。その変化に対応していかないといけない」
広島を率いて6年目になる森保監督の懊悩(おうのう)は、「変化への対応」にあるだろう。昨シーズン限りでチームの象徴だった佐藤寿人が移籍し、森崎浩司も引退。先日はDFを支えてきた塩谷司のUAE移籍も発表され、面子は大きく変わりつつある。残ったメンバーも、例えばミキッチは37歳で、着実に年を重ねている。新陳代謝は簡単な作業ではない。
歯がゆいのは選手たちだろう。チーム全員のバーベキューや主力選手たちの焼き肉会で、緊急的に問題点を話し合っている。真面目な選手が多く、「このチームを愛している」「どうにかしたい」という忠誠心も強いという。しかし、チームを思いすぎると、個人の創意工夫や思い切りは阻害される。システムを与えるのは監督だが、システムを発展、変化させるのは選手の自由な閃(ひらめ)きだ。
例えば、トップはペナルティエリアの幅でプレーするのが約束事でも、あえてそれを破り、サイドに流れ、攻撃の動きを出すのはひとつの手だろう。あるいはサイドは独力でなく、タメを作り、サイドバックやシャドーがダイアゴナルに中へランニングし、崩し切る。それぞれの選手が少しずつルールを破る必要がある。
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