サンフレッチェ、全員のバーベキューでも改善しない17位転落の真因 (3ページ目)
56分、川崎の先制点はほぼ必然だった。中村がくさびを打ち込み、エドゥアルドネットがポストで潰れる。そのこぼれ球をエリア外でトラップした阿部が、左足を振り抜いてニアサイドに叩き込んだ。
その後、広島は緩やかにペースを取り戻す。ラスト10分は川崎を陣内に釘付けにした。4-4-2に陣形を変えたことも功を奏したと言える。しかし得点は生まれなかった。
「(結果が出ない理由を)ひとつあげるなら、決定力にあると思います。今日も決定的なチャンスはたくさん作れましたし、あとは決めるところ。決められたら、守備でももっと耐える力が出てくる」
森保監督はそう説明しているが、攻撃が機能し始めたのは、終盤、スクランブルになってからだった。
攻撃構築の面ではMF森崎和幸の不在が響き、「ボールを握る、運ぶ」に支障が生じている。かつてのドウグラスのようにシャドーの選手がマークをはがしてシュート、という展開も乏しい。そして、チャンスメイクを託されたサイドの選手は抜けきれず。最強時代と同じ形式が、同じようには機能しない実状が明らかになっている。昨季はピーター・ウタカが得点王に輝いたが、ウタカは1人でゴールを仕留められた。
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