W杯出場の決め手に、福田正博がハリル監督に求める岡崎慎司の起用法 (5ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 37度という高温の中で、W杯予選の経験が少ない選手たちは前半から飛ばしていたため、疲労が溜まるのが早かったように感じる。最初に原口に代えて倉田秋を投入した選手交代に、「もう少し待ってから最初の交代カードを使ってもよかったのでは」という意見もある。

 ただし、選手交代は、疲れが見え始めた時点で行なうのが理想とされている。疲れた選手を使い続けていると判断ミスが生まれ、10人で戦うのと同じような状態になってしまう。さらに、走れなくなったツケを穴埋めする他の選手たちも疲弊するため、チーム全体への悪影響が拡大していく。だからこそ、選手交代は早めの判断が必要なのだ。井手口の脳しんとうや、酒井宏樹の故障というアクシデントによって、勝負どころでジョーカーとして期待していた乾貴士を使うプランが狂ってしまったが、それは致し方ないと言える。

 日本代表は現在、勝ち点1差のグループ首位にいる。8月31日に埼玉スタジアムで行なわれるオーストラリア戦、9月5日のサウジアラビアとのアウェー戦で、少なくとも1勝しなければいけない状況となった。

 海外組の選手にとっては、新たなシーズンが始まったばかりのタイミングになるが、どの選手もW杯出場という目標は同じ。コンディションさえ整っていれば十分にやってくれるはずだ。ただ、今回のように事前にテストマッチをする余裕はないため、選手の好不調の見極めがより重要になる。

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