エスパルスを蘇らせた鄭大世の一撃。降格した2年前の脆さは消えた (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 このゴールで勢いに乗った清水は、鄭大世、チアゴ・アウベス、そしてFWミッチェル・デュークのパワフルな前線が躍動。69分にはミッチェル・デュークのシュートの跳ね返りをふたたび鄭大世が詰めて同点に追いつくと、2分後にはチアゴ・アウベスが左足インフロントで巻いて、絶妙なコースに逆転ゴールを叩き込んだのだ。

 清水にとっては奇跡的な、浦和にとっては悪夢の7分間。まるで勝ち目がないように見えた清水が見せた鮮やかな逆転劇は、サッカーの醍醐味と恐ろしさを同時に味わわせてくれた。

 それにしても鄭大世である。昨季のJ2得点王は、2年ぶりに戻ったJ1でも絶大な存在感を放っている。この試合を迎えるまで清水は5試合勝利から見放されていたが、この間に鄭大世もノーゴールだった。

「正直きつかったです。こういう(点の獲れない)経験は何度もありますけど、今回はキャプテンとしてエースとして、自分が決めてないから試合も勝ててなかった。責任を感じていたし、試合が終わったときに落ち込むときもありました」と、その期間の心境を吐露した。

 この浦和戦でも、前半はまるで歯が立たず、レベルの差を痛感していたという。

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