もはや磐石の強さ。今季、二兎を追う浦和レッズが「両獲り」なるか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 とりわけ浦和に際立つのは、攻撃の完成度の高さ。すなわち、得点力の高さである。

 現在まで、浦和のJ1での総得点は8試合でリーグトップの24点。また、ACLでも5試合で18点を挙げており、1試合平均3.23点を叩き出している。MF武藤雄樹が誇らしげに語る。

「(普通は)こんなに点を取り続けられるものではないが、今年はどの試合も2、3点以上取れている。ラファ(アルビレックス新潟から移籍加入のFWラファエル・シルバ)が新しく来て点を取っているので、競争意識が高まりながら、それでも前線の選手はチームプレーを忘れずにやれている」

 これだけ点が取れるのだから、強いのも当然のことだ。ウェスタン・シドニー戦でゲームキャプテンを務めたMF柏木陽介は、決勝トーナメント進出が決まったことについても、「それは当たり前。もっとよくなる」と素っ気ない。選手たちが、大きな手応えを感じながら戦えているのは確かだろう。

 ただし、欲を言えば、ウェスタン・シドニー戦の後半の戦い方には、少なからず不満が残った。攻勢に試合を進められるあまり、"攻めっぱなし"になることが多く、リスク管理がいい加減なものになることが少なくなかったからだ。

 本来、自分がマークすべき相手選手よりも自陣ゴールに近い位置まで戻り、ボールと相手選手を視野に入れておかなければいけない場面でも、「こんなもんでいいだろう」と"一応"守備に戻るだけになっていることが多かった。その結果、指揮官もコメントしているように、後半はウェスタン・シドニーに何度も決定的なチャンスを作られることになった。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る