初めて本田圭佑を見た時と似た衝撃。
鹿島の新人・安部裕葵にピンときた (3ページ目)
大宮戦と磐田戦。違いは起用されたポジションにあった。大宮戦が2トップの一角だったのに対し、磐田戦は左サイドハーフ。選手に多機能性を求める石井監督ならではの起用法だが、安部は要求を十分消化できなかった。前半、左サイドが機能しなかったことが、敗因のひとつになっていた。
前半45分でベンチに下がった安部だが、面構えは最後まで立派だった。最後まで「やってやるぞ!」という雰囲気を漂わせながら、前向きにプレーした。
雰囲気があるのだ、プレーに。安部にあって他の一般的な若手にない要素はこれ。そして、安部には実行力がある。本田圭佑を初めて見たときに似た感覚に襲われる。同年代の選手の中ではピカイチだと思う。
だが、5月末から韓国で開催されるU-20W杯の日本代表メンバーに彼の名前はない。選出された過去もない。どうやら、内山篤監督のお眼鏡には、適っていないようである。
大事な局面で使ったり、多機能性を育もうとサイドハーフで使ったり、高い期待値を寄せる石井監督とは、見解が異なる様子だ。もっとも、U−20日本チームに選ばれず、大会に出なければ、その分、鹿島で出場する機会は巡ってくる。むしろ、こちらで揉まれたほうが伸びるのではないかと思う。
3 / 4