鹿島スカウティング担当は「レアルなら
勝てなくはない」と分析していた (3ページ目)
「打たれたシュートに反応するのか。ボールの出どころを抑え、シュートを打たせないことを考えるか。監督がどちらを求めるかで変わってきます。そうした監督の姿勢を全員が理解し、同じ方向に進んでいこうとしているのがいまの鹿島。チームとしてどう戦うか。それがハッキリしていたことが、あのような結果に繋がったのだと思います」
「レアル・マドリードとの決勝戦を含めて、実は分析をしながら、クラブW杯の前に、これは勝てそうもないなと思ったことは一度もなかったのです」
昨季終盤、鹿島の快進撃は突如始まった。チャンピオンシップ準決勝で川崎フロンターレを下したその直前の試合までは、リーグ戦で4連敗を続けていた。
「サッカーとは、いくつかの小さなグループが集まって組織されたものだと思うのですが、それが少しズレてうまくいかなくなっていたのがJリーグの最後の4連敗。それがチャンピオンシップに向けてチームとして固まってきて、結果が出て、方向性に間違いがないことを確信し、個の対応力が上がり組織として戦うことができるようになった。その結果がクラブW杯準優勝だと思います」
日本人は、勤勉で真面目で忠実だと言われる。その魅力をピッチの上で具体的によりよいものとして示しているのが現在の鹿島だろう。日本サッカー史上でも類を見ない頭脳的な集団に見える。そして、その一翼を分析担当者は確実に担っている。
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