エムボマ級か。鳥栖のコロンビア代表イバルボが見せたポテンシャル

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 1990年代、Jリーグにセンセーションを巻き起こしたパトリック・エムボマに近い面影がある。

 190cm近い長身で大股、懐が深い。一歩目からトップギアに入るスピードは、黒豹を思わせる敏捷性と獰猛さ。後半アディショナルタイム、左サイドでボールを受けると30mを疾駆。2人の敵ディフェンダーを荒々しく引きちぎって、左足シュートまで持ち込んでいる。

「今は少しずつ順応しているところだよ。まだまだ自分のスピードには満足していない。本来のレベルに戻すためにトレーニングを積んでいるところさ」

 本人は照れ臭そうに言った。まだ髙いギアを隠し持っているということか。コロンビア代表FW、ビクトル・イバルボの真価とは――。

室屋成(FC東京)と競り合うイバルボ(鳥栖)室屋成(FC東京)と競り合うイバルボ(鳥栖) 4月1日、味の素スタジアム。3月にJ1サガン鳥栖に入団したイバルボにとって、これがJリーグ2試合目となる。対戦相手のFC東京のバックラインは森重真人、丸山祐市、太田宏介、室屋成と、ロシアW杯アジア最終予選の日本代表予備登録メンバーで固められていた。だが、先発したイバルボは、ものともしていない。

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