予想外の凋落。「王者」サンフレッチェ広島に何が起こっているのか (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Ken Ishii - JL/Getty Images for DAZN

 キャプテンのボランチ青山は、自らのミスが2失点目につながったことについて「1失点しても、みんな我慢して戦っていたのに、自分が我慢できなかった。申し訳ない」と口にし、険しい表情のままこう語った。

「見てのとおり、うまくいっていないのは確か。(1トップ+2シャドーの)前の3人が全部入れ替わって、3バックも考えるところはあると思うけど......。"らしさ"を出すにはどうすればいいのか。コーチングスタッフに(指示を)言われるだけでなく、自分たちでも考えてやっていかなければいけない」

4連敗を喫して、厳しい表情を浮かべるサンフレッチェの青山敏弘4連敗を喫して、厳しい表情を浮かべるサンフレッチェの青山敏弘 2011年から2015年に迎えた黄金期を経て、現在の広島は過渡期にある。ディフェンディングチャンピンとして臨んだ昨季にしても、年間順位こそ6位とどうにか面目は保ったが、優勝争いには縁遠いシーズンを送っている。

 広島からうかがえる「中心軸の揺らぎ」は、おそらく今に始まったことではない。事態は徐々に進行していたが、一昨季はFWドウグラス、昨季はFWピーター・ウタカが独力でゴールを量産した結果、それが大きく露見することはなかったのだろう。

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