大勝にも「体温が低い」と苦言。スペインの名将はヴェルディを蘇らせるか (3ページ目)
ロティーナは昨シーズン、カタールの2部クラブを1部へと昇格させている。その国の特色やレベルに順応しつつ、身の丈にあった戦い方を見つけられる。これは経験のなせる技で、大きなメリットと言えるだろう。
ただし、一朝一夕にチームは進化しない。
とりわけ戦術面は、大きな課題になるだろう。戦術はシステム論にすり替えられてしまいがちだが、勝負の柔軟性や戦いの呼吸に言い換えられる。例えば、ロティーナは水戸戦の後半立ち上がりを「FRIO」と苦言を呈している。体温が低い=テンションが低い。フラフラとゲームに入り、無策にもラインをずるずると下げ、相手に押し込まれた。ポストを直撃するなど、際どいシュートを数度、浴びた。
「失点してもおかしくなかった。簡単にボールを失いすぎていた。相手が退場者を出して10人になって、再び我々がボールを握り、チャンスも増えたが」(ロティーナ)
大差での勝利も、相手の自滅に助けられた。自らペースを失う。それは戦術的レベルの低さを意味している。スペインの厳しい戦いを経験してきた指揮官にとって、それは頭を抱えるような事態だろう。
もっとも、ロティーナはポーカーフェイスを気取る。腰を据えて挑む腹づもりで、決して焦ってはいない。
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