歴史は繰り返すのか。フロンターレのJ2降格が頭をかすめた今季初戦 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 23分に許した同点ゴール(相手クロスを一度は止めたが、そのボールが味方に当たってオウンゴール)にしても、不運ではあったが、相手にボールを持たれる時間が長くなるなかで生まれたものだ。

 結局、川崎は時間の経過とともに、さらに「らしさ」を失い、得点の可能性をほとんど感じさせないまま、90分を終えた。ボールポゼッションで圧倒し、相手を押し込みながらもカウンターで失点したのならともかく、この試合はそうではない。そもそも川崎らしさの前提となるボールポゼッションが、これまでに到達していたレベルとの比較で言えば、まったくと言うほどできていなかった。

 新シーズンが始まって間もない2月に、前線から厳しくプレスをかけ、しかも球際では少々ラフなほどに体をぶつけてくる韓国のチームと対戦する難しさはあっただろう。

 また、新指揮官が「新しい選手がどれくらいできるかは、公式戦に出してみないとわからない」と話していたように、この時期は、新戦力を試しながら試合を進める試行錯誤の段階でもある。

 だとしても、これほど内容の悪いサッカーに終始した川崎は、最近では記憶にない。

 MF中村憲剛は、「勝ち点3を取れていないが、まったくダメかというとそうではない」と前向きに語ったうえで、こう続ける。

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