Jリーグに韓国人GKブーム。日本の「守護神欠乏症」に打つ手はあるか (3ページ目)
ところが2014年、その考え方に一石を投じる事態が勃発する。それが、サンフレッチェ広島のGK西川周作の浦和レッズ移籍に端を発した、JリーグGKの「玉突き移籍現象」だ。
2013年シーズン終了後から繰り広げられたGK争奪戦では、西川の移籍により広島が林卓人を仙台から獲得。また、ガンバ大阪がアルビレックス新潟から東口順昭を獲得すると、それに押し出されるようにG大阪の藤ヶ谷陽介がジュビロ磐田に移籍。磐田の川口能活はFC岐阜に新天地を求めた。
そのほか、サガン鳥栖が清水からレンタル移籍でプレーしていた林彰洋を完全移籍で獲得し、西川が加入したことで浦和のベテラン山岸範宏はモンテディオ山形に移籍。これらGK玉突き移籍の影響はJ2クラブにまで広がり、以降もJリーグ内ではパズル合わせのようなGK移籍が続くこととなったのである。
しかしこの現象は、裏を返せば日本人GKの駒不足、育成の遅れを露呈するものとして受け止めることができる。実際、各クラブは次第に国内でのパズル合わせに限界が生じていることを認識し始め、GKのポジションに外国人枠を使うようになった。その旗印となったのが、2015年に磐田に加入したポーランド人GKカミンスキーである。
カミンスキーはほかのGKとは次元の異なるプレーで、当時J2だった磐田のJ1昇格に大きく貢献した。GKというポジションがいかにチーム強化のために重要であるかをJクラブのフロント陣に再認識させたと言えるだろう。1ゴールを奪うことと、1ゴールを防ぐことは、イコールの関係なのである。
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