「カズさんより先にやめたくない」小野と稲本の絶大な存在感は衰えず (4ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 青木一平●撮影 photo by Aoki Ippei

 ポジティブな言動で周囲を盛り上げる小野と、サッカーに取り組む姿勢で仲間に然るべき道を示す稲本。2002年のW杯で日本中を沸かせた、「真のトッププレーヤーたち」の存在感はまだまだ健在だ。

 とはいえ、30代後半のフットボーラーにとっては、「引退」の二文字がちらついていてもおかしくはない。50歳を迎える今年も現役を続ける、三浦知良(横浜FC)の話を向けると、小野は「本当にすごいですよね。刺激というか、尊敬というか......。でもすごすぎて、そういう言葉だけでは片づけられません。自分も体が動くかぎり、何歳になっても選手を続けたい。カズさんの背中をしっかり見て、やっていきたいです」と答えた。

 一方の稲本も、「目標とか、そういう次元ではないかもしれないけど、フィジカルや技術をキープしていくのは見習うべきところ。もちろん自分もそこまでやりたいし、少なくともカズさんより先にやめたくはない。そこは間違いないです」と返してくれた。しばらくは、ふたりがユニフォームを脱ぐことはなさそうだ。

 25年目を迎えるJリーグに、彼らのような生けるレジェンドの存在があることを喜びたい。そして、チームを支えるだけでなく、ピッチ上で僕らサッカーファンを酔わせてくれることを大いに期待したい。

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