韓国選手を吹っ飛ばす大久保嘉人。FC東京のイメチェンに闘魂を注入 (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Wataru Kohayakawa/AFLO

 これまでのFC東京のイメージを捨てて、違うチームになった、という意識でやれば、このチームは絶対に強くなる。点を取らないと勝てないわけで、ディフェンスにはいい選手がいっぱいいるし、今は前にもいい選手がいっぱいいるので、自信を持って取り組んでいけば変わると思います」

 FC東京は、マッシモ・フィッカデンティ監督(現サガン鳥栖)に率いられた2014年と2015年シーズン、バランスの針を守備的な戦い方へと極端に傾け、J1で屈指の守備力を誇った。攻守のバランスは、篠田善之監督になってだいぶ修正されたものの、チームに宿る「まずはやられない」という意識は、いまだに染みついているのかもしれない。

 大久保が指摘するのは、そのことだった。

「凌(しの)ぐときは凌いでいいけど、いけるときには、前にボールをつけて、みんながなだれ込むように攻めたい。『うわ、このチーム、走るし、ディフェンスも強いし、嫌だな』って、相手に思われるチームになりたいんですよ。そうなれば、絶対に優勝争いに絡める。それができるだけのメンツがいる。そこは自信を持っていいし、やっていかないといけない。優勝するために、1試合、1試合、大事にやっていきたいと思います」

 今から約3カ月前、大久保がFC東京との契約書にサインをするつもりだ、ということを知った家族は驚いたという。奥さんは涙を流し、子どもたちは「絶対にイヤだ」と反対した。4年間在籍していたフロンターレに愛着と感謝があったからだ。

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