韓国選手を吹っ飛ばす大久保嘉人。FC東京のイメチェンに闘魂を注入

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Wataru Kohayakawa/AFLO

 高城運動公園(宮崎県)のピッチに、"バチーン"という衝撃音が響きわたった。

 FC東京の大久保嘉人(川崎フロンターレ→)が強烈なタックルを見舞い、FCソウルの選手をふっ飛ばした音だった。

 2月8日に行なわれたFC東京とFCソウルのトレーニングマッチ。もともと球際での争いに長けているうえ、1月上旬に始動してすでに仕上がりつつあるFCソウルに対して、FC東京は特に前半、苦戦を強いられていた。

 FCソウルのプレスにたじろいで、効果的にパスをつなげず、横パス、バックパスで回避するシーンが目についた。

 そんな展開で迎えた前半の終盤、CKの場面でFCソウルがショートコーナーで攻めてきたところで、大久保が仕掛けてきた相手選手を潰しにいったのだ。

 それは、ピリッとしないチームに対し、闘魂を注入するための一撃のようだった。

「あそこはやられたら、俺のせいになるから。『ここに来い』って思うもんね。俺が絶対クリアしてやる、スライディングして絶対に止めてやるって」

 そう振り返った大久保は、さらに続けた。

「みんながそういうふうに、(相手の)ゴール前でも『俺が点を取ってやる』って思えるようになったら、ひとつの集団になったとき、すごく強いチームになると思う。それに、ああいう場面で(強烈なタックルを)見せれば、チームが引き締まるんじゃないかなっていうのもあった」

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