震災を乗り越えて。ロアッソ熊本の選手が集う店は「実家にいる気分」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

「J2の味」紀行(2)~ロアッソ熊本

 熊本市、水前寺にある『レストラン喫茶 グルメ』は、J2ロアッソ熊本の選手たちの胃袋を満たしてきた。

ロアッソ熊本の選手のサインが並ぶ『グルメ』の店内ロアッソ熊本の選手のサインが並ぶ『グルメ』の店内「ロアッソランチ」。特製のランチセットはなかなか手強い質と量である。唐揚げ、ハンバーグ、サラダ、お味噌汁、ご飯。若いアスリートたちの食欲をも満たす。

 選手たちのリクエストで生まれたメニューも、いくつかある。

 北嶋秀朗(かつてロアッソでプレーし、来季からトップチームコーチ就任が決定)が考案したカフェオレ「39オーレ」も人気だ。北嶋は氷をかみ砕くのが好きということで、アイスコーヒーを凍らせた氷が入っている。銀の長いスプーンで氷をぐりぐりしながら、コーヒーゼリーとミルクの融合を楽しめる。値段は390円。グラスのデザインも取っ手の上の器が斜めに傾き、なんとも趣がある。

 ロアッソの選手が来るようになったきっかけは、単純だ。

 2012年3月にクラブハウスが完成するまで、ロアッソは練習場を転々としていた。水前寺陸上競技場で練習することもあった。練習後、歩いても行ける『グルメ』に選手たちが通うようになったのだ。

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