引退した永井秀樹の新たな挑戦。「ヴェルディを再びチャンピオンに」 (5ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

 シーズン終了後、永井は1日として休むことなく、動き始めた。

 東京、大阪、そして沖縄......。お世話になった関係者への挨拶回りをして、その傍らで、ヴェルディ再建のため、その準備に全国を奔走していた。

「Jリーグは、文化として根付くことが大事。文化になるためには、いいサッカーをみんなが追求することが大切。そして、どれだけ"感動"を届けられるかが重要になる。だから、サッカーにとってのライバルは、クラブ同士ではなく、例えば映画やディズニーランドといったサッカー以外のエンターテインメントだと、そんなふうに考えてもらえるような業界にサッカー界をしていきたい。『ディズニーランドに行くより、Jリーグの試合を見に行きたい』と思っていただけるようなクラブ作りができれば、ヴェルディだけでなく、日本のサッカー界全体が、さらに発展していくと思う」

 チームからは若手の育成などに関する仕事を打診されているようだ。具体的にはまだ何も決まっていないが、愛するヴェルディのため、選手、サポーター、そして自分自身の夢をかなえるため、永井はピッチを去ってからも全力で走り続けていくつもりだ。

 永井秀樹の新たな伝説が、これから始まる。

【profile】
永井秀樹(ながい・ひでき)
1971年1月26日生まれ。大分県出身。明野中→国見高→国士舘大。中学、高校ではともに全国大会で優勝。プロ入り後もチームの中心選手として活躍し、数々の栄冠を獲得した。身長174cm。血液型A。

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