「残留の達人」アルビレックス新潟に迫る過去最大級の降格危機 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 横浜FM戦後、落胆の色を隠し切れない新潟の吉田達磨監督は、「イージーに失点したことに尽きる」と話し、特に1失点目(右サイドからのクロスに対し、相手選手にあっさりとDFの前に入られた)について、「あそこであのレベルのプレーをしてはいいけない。あってはいけない、ありえないプレー」と断じた。

 この2試合、主力DFを負傷で欠き、窮余(きゅうよ)の策とでも言うべき3バックの布陣で戦う新潟。それでも、ピッチの幅を広く使ってボールを動かし、受け身になることなく、積極的に攻撃を仕掛けようとする姿勢は好感が持てる。試合内容そのものは、決して悪くない。

 ところが、指揮官が指摘するように、要所で"軽さ"を露呈して失点を重ねてしまう。これでは、せっかく自分たちのよさを出せている部分があっても自信を失い、どんどん悪循環に陥りかねない。

 また、厳しさを増す現状について、吉田監督が「残りの対戦や、今の流れがそう感じさせるのだろう」と話していたように、徐々に新潟に逆風が吹き始めているのも事実だ。

 現実的な残留争いの対象となる、14位・ヴァンフォーレ甲府(勝ち点28)から16位・名古屋の最近5試合の結果は以下のとおり(○=勝利、△=引き分け、●=敗戦)。

◆甲府=○○△●△

◆新潟=●○●●●

◆名古屋=●●△○●

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