福田正博が指摘。リオ五輪で露呈した日本サッカー界の根深い問題点 (2ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro

 敗因として、オーバーエイジ(OA)組を起用したことによるDF陣のコンビネーション不足をあげる声もある。つまり、五輪最終予選を戦ったOA組のいないDFラインであれば、連係面で不安要素がなかったのではないか、という意見だ。しかし、私としてはこうした論調には賛同しかねる。

オーバーエイジとしてメンバー入りした藤春は左サイドバックとして出場 photo by JMPAオーバーエイジとしてメンバー入りした藤春は左サイドバックとして出場 photo by JMPA なぜなら、4年前のロンドン五輪でも、DFラインにOA枠の選手を起用していたからだ。4バックのうち、センターバックと右サイドバックにOAの吉田麻也と徳永悠平を起用し、グループリーグを突破。準決勝と3位決定戦では勝利を逃したものの、4位という好成績だった。今回のリオ五輪でも同じようにOA枠の選手をDFラインに起用したわけだが、結果が良かった前回はDFラインのコンビネーションについて問題視せずに、結果が出ないからと言って、すぐにOA枠の選手起用を批判するべきではないだろう。

 また、オーバーエイジの選手に「リーダーシップ」や「国際大会での経験値」を求める意見も多いが、年上だからといって、選手の誰もがそれを持ち合わせているわけではない。

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