FW3番手の扱いに佐藤寿人が吐露。「必要としてくれるところへ...」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 ただし、両者がポジションを失ったのは、35歳を超えてから。一方の佐藤は、現在34歳。ケガを抱えているわけでもなく、身体のキレも備わっている。フィジカル的な衰えが見られたふたりのレジェンドとは異なり、「まだやれる」という想いがあるぶん、佐藤が抱えるストレスは相当なものだろう。

 8月14日に行なわれた湘南ベルマーレとの一戦でも、スターティングメンバーに佐藤の名前はなかった。77分にウタカが負傷でピッチを退いても、代役に指名されたのは長身ストライカーの皆川佑介。1点リードしている状況で守備を重視したい事情はあったにせよ、佐藤は「FWの3番手」という扱いを受け、ベンチに座ったままタイムアップの笛を聞いている。

「正直、モヤモヤしたものはありますよ」

 おそらく、話しかけられたくはなかっただろう。それでも、佐藤は気丈に振る舞い、現在の心境を吐き出した。

「現状では、追いかける状況のときにしか出られない。リードしている場合は、今日のような起用になる。そうはいっても、自分が出るためにチームに失点してほしい、なんて思うわけにはいかないですからね。でも、点を獲った次の試合でも出られなかったし、1週間試合に向けて準備して、試合中はアップだけで終わってしまう。なんのためにやっているのか、と思うこともありますよ」

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