【恩田社長の600日】特別寄稿「解任されたラモス監督の功罪」 (5ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi  photo by AFLO

 そんなとき、チームの戦績はどうだったのでしょう?

 2014年のチーム編成には、ラモス氏の監督就任決定の時期が遅く、選手の契約更新が終わっており、ラモス氏の意思が100%反映されたチームとは言えませんでした。それを受けての2015年、予算規模は維持したうえで、監督の好きなようにチーム編成をやってもらいました。言い訳できない環境を作りたかったのです。

 しかし、監督の思いを反映したはずのチームは開幕から低空飛行を続けます。他クラブと比較しても、なんの遜色もない予算を使ってチーム編成をしている以上は、それで結果を出してもらわないと困るというのが、経営者側の本音です。

 2015年シーズン、チームは降格の危機に直面し、ラモス氏も全く冷静さを失い、「自分をクビにするか、補強するか、2つに1つだ」と公言するありさまでした。クラブとしては降格を人質に取られている以上、大赤字部門に夏の補強という追加投資するしかない状況でした。

 その結果、降格回避と黒字決算の両方を何とか達成し、綱渡りの2015年シーズンを終えました。また、私はシーズン終了と合わせて社長を退任し、ひと足先にお役ご免となりました。

 ラモス氏は何を残してくれたのでしょう?

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る