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ニュー反町スタイルのJ2松本山雅、
1年でJ1復帰に向け快走中 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 だからこそ、経験豊富な指揮官はこれまでの流れをあえて断ち切るように、新たなサッカーに挑んだのだろう。

 シーズン序盤こそ、なかなか白星が先行せずに苦しい時期もあったが、第7節から3連勝。以来、4連勝1回、5連勝1回と順調に勝ち点3を積み重ねている。しかも、連勝が止まっても連敗しないのが、今季の松本の強さ。それこそが、達成感や慢心が生まれていないことの証明でもある。

 もちろん、新たなスタイル自体も、その特徴が結果となって表れてきている。

 冒頭で記した長崎戦の勝利は、交代出場のFW山本大貴が後半86分に決勝ゴールを決める劇的なものだったのだが、「やってきたことの"二次的効果"が出た」と反町監督は語る。

 つまり、パスを何本もつないで崩し切ったわけではなかったが(決勝点はわずかパス3本のカウンターから生まれた)、ボールポゼッションを高めたことが間接的にゴールにつながった、というわけだ。指揮官が続ける。

「ボールを持つのと持たれるのとでは疲労度が違う。それが最後に出た。長崎の守備は堅く、前半はズレることがなかったが、相手はボールを動かされて集中が切れ、走らされたことでズレが生じた」

 しかも、この試合は夏場の暑い時期に、7月16日、20日、24日と中3日で試合が続いた3連戦の最終戦。松本のボールポゼッションがボディブローのように、じわじわと長崎にダメージを与えていた可能性は高い。反町監督は「根比べみたいな試合。攻めているときもカウンターの脅威と戦った90分間だった。3連戦の最後の時間で(決勝点を奪い)勝ち切れたのはうれしい」と胸の内を明かした。

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