J1名門クラブが降格危機でハマる「引き分け・勝ち点1」のワナ (4ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 3強がリオ五輪メンバー不在の対策に頭を悩ませているのに対し、2ndステージ開幕ダッシュに成功した横浜F・マリノスは、主力が抜けることはない。そのため、夏場で勝ち点をどこまで積み上げられるかがポイントだろう。

  マリノスは8月27日の第10節で鹿島と直接対決するが、そこまでの5試合はリーグ戦で中位以下の磐田、名古屋、柏、大宮、FC東京との対戦。横浜の選手 たちは、2ndステージが始まったばかりで首位という実感はないと思うが、この5試合で大きく勝ち点を伸ばすことができれば、チームに勢いが生まれる。そ の勢いをもって8月下旬に上位陣に勝利すれば、優勝が見えてくるはずだ。

 そこで重要になるのが、MF齋藤学の活躍だ。今年は1stステー ジからマリノスの試合を見る機会が多いのだが、攻撃に関して言えば、FWカイケと富樫敬真の2トップがピッチにいる方が、斎藤学の存在感が増している。 MF中村俊輔が自由に動き回るため、これまではフォーメーションは基本的に4−2−3−1を敷いてきたが、エリック・モンバエルツ監督が齋藤を生かすため にカイケと富樫の2トップにした。それと同時に俊輔の個性を消さない方策を見つけ出すことができるかがポイントになる。

 優勝争い常連の広 島とガンバ大阪は、それぞれFW浅野拓磨とFW宇佐美貴史が海外へ移籍した。この2チームのうち、優勝争いに割って入る可能性があるのはG大阪だ。広島は 浅野の穴も大きいが、それ以上に故障者が多すぎるため、本来の実力を発揮するのは難しいかもしれない。

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