【恩田社長の600日】クラブ一丸で、目指すは超満員の15,000人 (2ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi

 社長就任の時点で、ターゲットにすべき試合は決めていました。「6月14日:ジュビロ磐田戦」です。ワールドカップが開催され、J1のリーグ戦が中断することにより、J2が土曜開催できることや相手が川口能活選手の古巣であり、かつての日本代表を何人も有するジュビロであることと、外的な好条件は揃っていました。

 後は、どのように世間に打ち出していくかです。運営・広報と膝を突き合わせ、何時間もキャッチコピーについて議論しました。「歴代観客数を塗り替えろ!」「届けろ!12,000人の大声援!」「ぎふの底力で最高観客数更新を!」......いろいろな案が出ました。記録は12,000人で更新できます。しかし、これだけの好条件は二度とないチャンスかもしれません。私の中のチャレンジの虫が騒ぎ出しました。私は決断します。

「15,000人、超満員を目指しましょう。どうせなら、とことん行きましょう!」

 大風呂敷を広げて、全然届かなければ、クラブは赤っ恥です。しかし、宣言して達成するからこそ意味があります。社内に6月14日の磐田戦と6月21日の長崎戦、15,000人の観客動員数を目指すことを伝えます。キャッチコピー「勝利のために!届けようぎふの大声援~15,000人集客プロジェクト!~(以下、15,000人プロジェクト!)」のスタートです。

 まずはメディアへのアプローチです。「メディアキャラバン」と称して、私と広報がユニフォーム姿で新聞社やテレビ局を訪れて、試合のPRをさせてもらいました。当時、新社長としてのメディア受けの力はあったので、訪れたほぼすべてのメディアが取り上げてくれました。しかし、これだけではメディア露出は単発で終わってしまいます。

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