2016.07.07

フットサル界のレジェンド。
甲斐修侍が「引退を決めた理由」を語る

  • 河合拓●取材・文 text by Kawai Taku
  • 高須力●撮影 photo by Takasu Tsutomu

 Fリーグが10年目のシーズン開幕を2日後に控えた6月9日、ペスカドーラ町田が1本のリリースを発表した。それは、Fリーグ最年長選手であるFP(フィールドプレーヤー)甲斐修侍が、新シーズンをもって現役を引退するというものだった。

 現在44歳となった甲斐は、左足1本で試合を支配する選手としての能力はもちろん、町田の前身である「カスカヴェウ」を立ち上げ、クラブの代表を兼任し、日本のフットサル界を牽引してきた。2015−2016シーズン、町田は全日本選手権を制し、Fリーグ発足後、待望の初タイトルを獲得。今季は名古屋オーシャンズから日本代表FP森岡薫を獲得し、悲願のリーグ制覇も現実味を帯びている。

 そのなかで甲斐は、フットサル選手として20年目のキャリアを迎えた今も、錆びつくことのない技術を武器にFリーグのピッチで存在感を示している。多くのファン・サポーターから、今なお絶大な支持を集めるスタープレーヤーの現役引退という決断に迫った。

「現役引退」を決意した経緯について語ってもらった甲斐修侍インタビュー@前編

 Fリーグが開幕した2007年の時点、俺は35歳で、当時から、「今年で辞める」と話していましたが、そのまま10年という月日が経ってしまった……というのが正直な感じです(笑)。

 3~4年前のシーズンインのとき、選手全員とクラブスタッフが集まって新シーズンへの意気込みや目標を、ひとりひとりがみんなの前で挨拶するという流れがあって、「俺は今年で引退する。みんなと一緒にプレーできる最後のシーズンになる」と言ったことがあるんです。そのときは自分も正直寂しい気持ちで、挨拶しながら泣きそうでした。