Jリーグ走行距離ベスト5独占。新潟・加藤大が誰よりも多く走る理由 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei  photo by Getty Images

 2ndステージの開幕戦となった7月2日の柏戦でも、加藤の走りは際立っていた。4−4−2の右MFとしてスタメン出場した加藤は、とにかくピッチのいたるところに顔を出す。ハーフウェーライン手前からドリブルで持ち上がって好機を演出すれば、逆サイドに攻撃が展開されるとボールサイドに寄って、しっかりとパスを受けられる位置に顔を出す。ショートパスを出せば、必ずワンツーで受けられるポジションを取り、時にはFWのようにダイアゴナルに走って、ディフェンスラインの背後でパスを受けようとする動きさえあった。

 一方で、よりインパクトが強かったのは守備での場面。「自分の周りのセカンドボールには、常に反応するようにはしています」と本人が言うように、ピッチの上には常にこぼれ球を狙う加藤の姿があった。また、対面のFWクリスティアーノの飛び出しに対して、まるでサイドバックのような鋭いカバーリングを見せるシーンもあった。

「今日はクリスティアーノにうちのサイドバックが押されるだろうと思っていたので、そこはしっかりカバーしてあげようと考えていました」

 自身の背後に位置する右サイドバックとの関係性が、加藤の運動量を増やすひとつの要因となっているのは間違いない。今季、新潟の右サイドバックを務めるのは小泉慶。本職はボランチながら汎用性が高く、サイドバックやサイドハーフでもプレー可能なユーティリティだ。

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