就任1年での2トップ。福田正博が見た「ハリルホジッチ監督の変化」 (3ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Nakashima Daisuke

 2トップの場合、4−4−2なら中盤に起用できる選手数は減るものの、個々のフィジカルで劣っていても、ふたりのFWが連携することで前線に起点を作れる。アフガニスタン戦でハーフナー・マイクがクロスを折り返して金崎がゴールに押し込んだシーンのように、相手ゴール前にFWがふたりいれば、クロスのターゲットが増えるという利点もある。

 また、2トップならどちらかが中盤に下がった時に、もうひとりがDFラインの裏を突く動きをしやすいというメリットもある。これは岡崎や小林悠など、こうした動きを得意とするFWにとっては、1トップの時よりも特長を生かしやすいと言える。

 このように1トップと2トップには、それぞれにメリットがあるが、いずれも日本代表のストロングポイントを最大限活用するためのアプローチの違いに過ぎない。どちらが日本代表に合っているという問題ではなく、対戦相手や試合展開に応じてどちらも使えるように準備しておくことが重要だ。

 ただ、これまでのハリルホジッチ監督は自らの思い描くフォーメーションを優先し、そこに選手たちをハメ込もうとする印象が強かった。しかし、監督がこの1年で選手たちの特長を把握し、選手の個性が最も生きる効果的な組み合わせを探ろうとしていることで、アフガニスタン戦を2トップで臨んだように感じた。

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