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イタリア人新指揮官が、サガン鳥栖にガッチリかけた鉄壁の錠前 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Kyodo News

 Jリーグ開幕を翌週に控え、鳥栖は鹿児島と一戦を交えている。主力同士が戦った90分間は、鎌田大地の1得点1アシストで2-0と勝利。二つもカテゴリーが下の相手だけに、勝利そのものに大きな価値はない。

 しかし、ウノゼロ(イタリア語で1-0)を信条とするフィッカデンティにとっては"会心の勝利"だったのだろう。

「90分間はしっかり守れて、手応えを感じた」

指揮官はそう言って胸を張った。イタリア、セリエAで主流の一つである4-3-1-2というシステムは守備に分厚い。極端に言えば、7人で守り、3人で攻める。特徴的なのがボランチの3枚で、バックラインのための「動く防壁」の役目をする。ブロックを作ったら、堅固に構え、突っ込みすぎない。

 鹿児島戦では、GK林彰洋が「飛び込むな!」「中切れ、方向だけ!」と盛んにコーチングの声を出していた。ディフェンダーがクリアする場面も目立った。セーフティファースト。自陣においてボールを失うことは許されないのだろう。

 イタリア人指揮官のプライオリティは失点の可能性の排除。そこに戦略の力点がある。必然的に(失点する可能性が低く、敵にとっては失点の可能性が高くなる)敵陣でのプレッシングの強度は高いものを求める。

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