カンプノウ並みの衝撃。吹田スタジアムでサッカー観戦が変わる (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text & photo by Shigeki Sugiyama

 パナソニックカップと銘打って行なわれたこけら落としの一戦は、3対1でホームのG大阪が名古屋グランパスに勝利した。名古屋はこれで練習試合3連敗。「小倉隆史新監督大丈夫か?」とのムードが漂い始めているが、吹田スタジアムの最上階から見る限り、内容はさほど悪くなかった。

 サッカー界には「いくら内容がよくても、勝たなければどうしようもない」との声がある。まさに現実主義者、結果至上主義者の声だが、この最上階からよく見えるのは、それとは真反対の内容だ。議論の余地があるのはこちらの視点。結果以外のことについて語りたい人にお勧めの観戦ポイントだ。

 監督にも不可欠な視点だ。ベンチにいながら、俯瞰の目を兼ね備えているのがいい監督。平面の視点しか持てないのがダメな監督と言われる。だが、吹田スタジアムの上階並みの視点を持つ監督はさすがに少ない。観衆の方が監督より見えた状態にある。記者席に座る記者の方が監督より見えているのだ。

 試合後の記者会見で胸を張ったのはG大阪、長谷川監督。小倉監督は終始うつむき加減だった。記者席から俯瞰で見た印象と、それぞれは異なる反応をした。もっと自信を持つべきは小倉監督。もう少し心配すべきは長谷川監督。俯瞰で眺めた僕の見解だ。

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